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一次創作ブログ

【MOBSTERS】プロローグ Part1【0.5部】

※あてんしょん!
 
 
・創作『MOBSTERS(モブスターズ)』全編につながるプロローグです。
 
・メインキャラ四人(チャーリー、マイエル、ベニー、フランク)でお送りします。
 
・時代設定は1920年頃(つまりNY編の8、9年前)。
 
・ソフトですが暴言&暴力表現多数。
 
・人種差別的なセリフや表現等は、時代背景に則り人物関係を分かりやすくする
という目的のためだけに多様致しました、ご理解ください。
 
 

 
 
ニューヨーク、リトル・イタリー モット・ストリート。
 
ここが俺たちの出会った街だった。
狭くて小汚い、貧しいが何かと忙しなく、荒事の絶えない場所だった。
 
俺はイタリアからの貧乏移民だった。
出遅れ移民の俺たちイタリア人はろくな仕事をもらえなかった。
 
すでにある事件をきっかけに両親を亡くしていた俺は一人で生計を立てるため、
ガキの頃から用心棒の仕事をして稼いでいた。
この街ででけぇ顔をしてふんぞり返ってるアイルランド人の連中から他の移民たちを護ってやるのが役目だ。
 
 
ある日、ユダヤ教会の前でサイコロ博打をして熱くなってるユダヤ人のグループと、
チンピラのアイルランド人たちとの間でいざこざが起きた。
 
俺もたまたまそこを通りかかり一部始終を遠巻きに目にして、
そして挙句にゃあ大いに巻き込まれることになったわけだ。
 
 
「おいユダヤ人共。そこで何していやがるんだ?ここは俺たちアイルランド人のシマだぞ、出ていけ!」
地面にうずくまってサイコロを転がしていたユダヤ人たちの顎を蹴り上げながらアイルランド人の男がどなった。
 
アイルランドのシマだぁ?
ここはユダヤ人が建てたユダヤ教会の前だぞ。俺たちユダヤ人の街なんだよ!」
ユダヤの奴らも次々と立ちあがって言い返した。
 
「はっ。裏切り者の一族がエラそうに何をほざきやがる!どうやら制裁が欲しいようだな」
ニヤリと笑ったアイルランド人の一人が胸からナイフを取り出し詰め寄ってきた。
 
さっきまでイキがっていたユダヤのガキたちもすっかりビビって退いちまった。
だが、奴らの中の一番若そうなガキが
「てめぇらこそ、その空きっぱらに鉛玉を喰らいたいようだな!!」と叫んで拳銃を向けた。
 
「随分威勢のいいガキがいるじゃねぇか。だがありゃあやりすぎだぜ、火に油だ」
案の定俺の予想通りで
「なんだこのガキ!ユダヤの分際で銃なんぞ振りかざしやがって、全員まとめてやっちまえ!!」
 
「そうこねぇとなぁ!!」
一際血気盛んなそのガキが単身でケンカをおっぱじめようとしたその時だった。
 
 
「よせ!!ベニー!」
細い声でそう叫びながら、両者の間に金髪のチビが割って入ってきやがったんだ。
「見えなかったな。あんな小せぇガキまでいたのか」
それが俺の第一印象だったんだから仕方ない。
 
「なんで止めんだよ!」
「怪我したくねぇならどいてろよチビちゃん!」
アイルランドの男がからかい口調でそう言っても、そいつは退くどころかなお奴らの前に立ちはだかった。
 
「こっ…この野郎、ムカつく目ぇしやがって!!」
「ぐぁっ!」
拳をもろに喰らったそいつは一発で地面に殴り倒されちまった。
そして一方的にやられるハメになった。
 
「マイエル!!」ユダヤ人たちがそいつの名を叫んだ。
「いいから!そのケンカっ早いバカを連れてさっさと逃げろ!」
「ふざけんな!!お前だけ置いていけるか!こいつらとの勝負は俺が――くそっ!離せよお前ら!!」
そのバカガキを必死に抱え込んだ他のユダヤ人たちは、そいつが言うがままに走り逃げていった。
 
「ただのケンカならいいが、こういうリンチは胸糞悪くて見てらんねぇ」
俺は顔を逸らして道に唾を吐き捨てた。
 
 
その時
「そろそろ死にたくなっただろう?あの世に送ってやるよ!!」
アイルランド人が奴に再びナイフを突きつけてそう言いやがったのが聞こえた。
 
他人のケンカには干渉しねぇ。金にならねぇ仕事はしねぇ。
それがあの頃の俺のポリシーみたいなものだった…だったんだが……。
 
「!?なんだてめぇ!!邪魔する気か?!」
俺はいつの間にかナイフを握ったアイルランド人の手を掴んじまってた。
厄介事に自分から首を突っ込んじまってたんだ。
 
 

 
 
続きのⅡはすぐにうpできそうです…^^;
でもその後もプロローグまだ続きますが、とりあえずお粗末様でしたm(__)m